第8回 テクノサロン・シリウス 実施報告

サブタイトル
ものづくりの大切さシリーズ その2
講演時間
18:00~20:30
場所
東京工業大学 百年記念館
参加人数
参加者数16名

参考資料
  • 「21世紀のイノベーション・システム」 NTT出版「技術立国再び」油木清明著の一節
  • 「日本のものづくりを襲う構造的な変化」 東洋経済新報社出版「日本の製造業は死なず」奥井規昌著の抜粋

今回は、形式を大きく変えました。先ず話題提供として講演形式をとらず、上記資料を参考として提供しました。また、参加者全員での議論ではなく、参加者を3グループ(1グループ5~6名)に分けて議論しました。さらに会の名前どおり気楽な雰囲気とするため、飲食しながらの座談としました。グループ討議としたため、参加者個人の発言機会が多くなり、大変な盛り上がり方で、皆様に満足していただけたかと思います。各グループで話題は様々でしたが、下記に要約いたします。

Aグループ:
・従来のものづくりは「安くてよいものを大量に作る」という出口が見えていたが、今は市場ニーズを的確に捉えることが大事であり、ただ作ればよい時代ではない。これは先進国共通の問題である。
・しかし、こうした時代こそ、伝統的なカラクリ工芸を作り上げた「こだわりの日本人的感性が生きてくる」のではなかろうか。ただしその基盤となる匠の技も考えも、一人で、企画、設計、製作、評価する時代ではなく、組織の総合力を生かす中で生まれてくる。
・中国他の途上国が追い上げれば追い上げるほど、彼等にさらにその先に必要なものを供給出来るのではなかろか。

Bグループ:
・日本の自信が不安に変わった理由の一つは、中国・東南アジアの追い上げ。付加価値の高いものを造れば、日本はまだ行ける。
・しかし若い技術屋が育っていない。
・日本は創造力が弱く、製品化が強いのは農耕民族の遺伝子か?などなど 様々な方面から議論できました。

Cグループ:
・日本は販売戦略では米国に負ける、また単なる組み立ての付加価値は低い。結局スマイルカーブで言うところの部品(=ものつくり)をするべき。
・そのものつくりとは、一心に集中して技術開発することではないか?情報のない田舎での開発が良い結果を生む。軍事のように技術そのものに集中する。このように集中すれば負けることは無い。技術は次々と生まれるはず。
・一方ではノウハウの国外流出(日本のトップ技術者が中国で教える)の防衛策も必要。何年もかけたものつくりのノウハウがあっという間に流出しているのは問題である。
・次にバイオはどうか、さらには日本の若者は大丈夫かという興味深い話に展開しそうになって、残念ながら時間切れになりました。

テクノサロン第8回のスナップです。また集まって、言いたいことを言いましょう。 
  
盛り上がるAグループ、ビールの所為かな?

そのAグループの発表に聞き入る(ちょと真面目)

いつまで続く?全員討議

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