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福島第一原発 廃炉見学ツアー ルポ 2025/2/18
困難に挑戦する福1廃炉現場の方々にエールを!
以下の集合写真は免振重要棟で撮影したものです。

あの大地震とその後の炉心溶融の衝撃から14年。
福島の復興と廃炉事業の実態を見、そして現場作業者と同じ放射線管理システムを体験してきました。
4600人余の作業者が毎日入る現場の中で、たくさんの同窓生が廃炉に懸命に取り組んでいることを誇りに思いました。 そして若手同窓生が「廃炉をやるために入社した」と言ってくれた事に感動しました。
まだまだ福島の復興も廃炉作業も、長く困難な道のりが続きますが、大いなる希望の灯を見たと感じた次第です。
以下に私たちが見て感じてきたことを写真と短文でご紹介していきます。
1.東京出発 6:53
晴天!寒い朝ではあったけど。 道中3時間以上・・・ 福島は遠い
2.富岡駅集合 10:15
駅前集合 学生18名+OB18名の計36名 無事到着
駅前の富岡町内案内図で帰還困難区域について学習

⇒東電さんのバスで廃炉資料館へ
3.廃炉資料館着 10:25

現場に入っている作業者の人数

燃料棒(実物大模型)
4.廃炉資料館 11:20発 ⇒第一原発
途中の国道6号線にあった空間放射線量率表示板 1.168μSv/h
(飛行機で高度8000mを飛ぶときの放射線量の約半分)
国道6号線の右側は、除染した土などの中間貯蔵施設エリア(立入禁止)
左側は帰還困難区域 (立入禁止)
自動車は通れるけど、まだまだ復興は道なかばです。


5.第一原発着 11:40ごろ
新事務本館入口で靴をスリッパに履き替え。
広いホールにはLowsonも
我々は会議室で持参したお弁当の時間。
6人づつのグループに分かれて談笑しながら楽しく喫食。
1)12:10~ 東電の方々からの歓迎のあいさつと廃炉の概要説明
2)靴に履き替え新事務本館の隣の建物で身体表面汚染モニタでチェックを受ける


3)白いベストを着用し放射線積算計を胸ポッケに収納
4)構内バスに乗車
タンク群や、廃棄された錆びたタービンロータなどを車内から観察
☆見学ルート

5)①ブルーデッキで降車
1~4号機を目前にできる場所で、実炉を見ながら廃炉の現状を説明してもらう。
地下水の流入を減らすための凍土壁を冷やすブラインの配管についた白い霜が印象的。
当初の540t/日から今は約80t/日に低減できているとのこと。
地震で損傷した煙突は、ロボットを使い遠隔操作で上部を解体したとのこと。
僕たちがいたデッキの放射線量率は 44.1μSv/h
さすがに1号炉の目の前では線量は高い
ISS国際宇宙ステーションの中とほぼ同じレベル
デッキが狭いので2グループに分かれて記念撮影
6)免振重要棟 14時ごろ
構内を巡ったあと免振重要棟に到着
降車し靴を脱ぎ、再び表面汚染モニタを通って、免振重要棟内に入らせてもらいました。
机やモニタの配置は14年前にTVでみたときのまま。
同窓の吉田所長(当時)が奮闘した現場に立ち、当時の彼の苦労に思いをはせました。
写真の中で説明している東電HDフェローの吉澤さんは、当時吉田所長の隣で5,6号機に
対処していたそうです。 当時はこの部屋にこもり切りで、寝た記憶がないとの生々しい
体験談を語ってくれました。
免振重要棟は、今でも万が一の際の対策拠点として、機能を維持しているとのこと。

7)免振重要棟を出て新事務本館に戻る (14:50ごろ)
再び身体表面汚染モニタを通り、個人の線量計も返却。
線量計の累積値は0.01mSV 歯医者でとるレントゲンの被ばく量とほぼ同じ。
44.1μSv/hの場所に約15分いたので計算が合います。
6.質疑応答 (15時~16時)
新事務本館会議室で吉澤さんほか東工大OB/OG13名と、約1時間の質疑応答。
印象的だったのは、若手社員が東電に入った理由。 「廃炉をやるために入社した」と。
その志に感動しました。
7.発電所⇒JR大野駅
発電所から最寄りのJR大野駅までは、東電のバスにお世話になりました。
駅までは約10分程度ですが、道路の両側は帰還困難区域。
入口にバリケードが設置された家が点々と残っているのが痛々しい。
8.大野駅にて解散 16:20ごろ
多くの収穫を得て、無事に解散。
大野駅周辺は復興工事が盛んに行われていました。
帰路の電車内は、お酒を飲みながらだったので、長旅も苦になりませんでした。
9.最後に
参加者の皆さま、日帰り強行軍のツアー、お疲れ様でした。
東電関係者の皆様には、いろいろとご準備いただき、また当日も多くの方々にサポートしていただき、ありがとうございました。
廃炉というと、報道などでネガティブなイメージがついています。 しかし私は「廃炉」は最先端の技術を駆使した大プロジェクトと認識しています。 今後数十年続く道のり。 現場で苦闘する技術者にエールを送りたくて今回のツアーを企画しました。 また、さまざまな先端技術を駆使する「廃炉」を学生にも見て欲しいと考えていました。
今回の最大の収穫は、学生にも若手の東電社員にも、「廃炉」の意義が理解されている事がわかったことでした。 「廃炉をやるために入社した」との言葉。 泣けますね。
これからも長くて困難な道が続くと思います。 応援しています。
がんばれ東電!
文責 白星会 文化教養部会
ツアー企画運営責任者 深谷智章
☆おまけ
東電のWebサイトに廃炉に関するいろいろな情報が発信されています。
東電 廃炉プロジェクト
動画で構内見学ができるサイトです。
バーチャル見学 Inside
以上
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