- TOP >
- 9/17 川崎重工業 坂出工場 見学会を開催しました
9/17 川崎重工業 坂出工場 見学会を開催しました
学生からの「造船所を見学したい」という希望に応え、川崎重工業 坂出工場の見学会を開催いたしました。
今回は白星会の同行はなく、学生のみで訪問しましたが、坂出工場の皆さまには大変ご丁寧にご対応いただき、心より御礼申し上げます。
白星会では、今後も学生の関心やニーズに応じて、さまざまな形式の見学会を企画・実施してまいります。
以下は学生からの報告書です。
【川崎重工業坂出工場見学報告】
9月17日、白星会の仲介により学生6名で川崎重工業坂出工場を見学した。メンバーはいずれもロボットや船舶技術に関心を持っており、現場で実際の製造工程を学ぶ貴重な機会となった。今回の目的は、船舶組立における位置合わせや材料の防食技術といった関心分野を中心に、造船現場のスケールと工夫を体感することにあった。
見学では、鉄板から船体を組み上げる工程を間近に見ることができた。溶接や切断の工程は半自動化が進み、用途に応じて機械を使い分け、人手を減らし効率化する工夫が随所に見られた。電磁石式のクレーンや大量搬送用の台車など、巨大構造物を扱うための特殊な設備も印象的であった。
特に面白かった点は三つある。第一に、自走式の溶接・切断機が大きな鋼板の上を走りながら加工を行い、品質の均一化と効率化を実現していたこと。第二に、船体曲げ板の製造では、今も職人がバーナーで加熱して曲げる伝統的な方法が用いられている一方で、海外では機械学習による自動化の試みも進んでいること。第三に、完成した船を進水させる際、ドックに水をゆっくり注入して海面と水位を合わせ、扉を開放して搬出する仕組みで、これに数百万円のコストがかかるという規模感に驚かされた。
技術面で関心を持ったのは、自動溶接機や切断機の原点合わせの方法、溶接熱によるひずみ除去やブロックの位置合わせ技術、さらに材料保管と錆除去の工夫である。とくに錆を前提に野外で保管し、加工直前にショット処理と塗装を行う流れは、防錆効果と効率化を両立させる合理的な方法だと感じた。
もしこの現場に関わるなら、加工を担うロボットの開発や制御の改善、安全性を高める仕組みづくりなどに挑戦したいと考える。人間による微調整と自動化技術が補い合って巨大な船を造る姿は圧巻であり、今後AIやデジタル技術が導入されることでどのように進化していくのか、大きな関心を持った。今回の見学を通じ、造船の最前線における人と機械の協働の重要性を強く実感した。
以上
工場見学会Index