第39回蔵前科学技術セミナー 2018年10月20日(土)

  一般社団法人蔵前工業会は国立大学法人東京工業大学との共催により、時宜に適した技術テーマを皆様と考える「蔵前科学技術セミナー」を、年2回開催しています。
 今回のテーマは、「今、原子力研究が目指すものは何か」です。核分裂発見から80年、福島第一原発事故から7年が経過しています。事故現場の状況と今後の見通し、大学の研究機関が目指す先導的研究について、専門家から分かり易く解説していただきます。
開催案内のチラシのダウンロードは末尾
 日時:  2018年10月20日(土)  講演会 13:00-17:30(受付開始12:30) 交流会 17:50-19:20
 
 会場:  東工大蔵前会館1階 くらまえホール(講演会)、 ロイアルブルーホール(交流会)
  (最寄り駅:東急目黒線・大井町線 大岡山駅 下車1分)
 
 プログラム:(各講演60分間、含質疑応答)
 
 講演1: 「東工大先導原子力研究所の歴史と現状(総論)」          
  東京工業大学 科学技術創成研究院 先導原子力研究所長教授
竹下 健二 氏(S56化工 58修原 62博)
 
 講演要旨:
 東工大先導原子力研究所(前原子炉工学研究所)は我が国の原子力開発黎明期である1956年に設置され、62年の永きに亘り一環して原子力の平和利用に係る研究と人材の育成を担ってきた。本講演では研究所の歴史を振り返ると同時に、福島第一原子力発電所事故で失墜した原子力に対する信頼回復やSociety5.0で想定されているスマート社会に適合した原子力システムなど今後研究所に期待される新ミッションを紹介する。
   
 講演2: 「福島第一原子力発電所事故は何を遺したのか」
  日本原子力発電(株)フェロー
吉澤 厚文 氏(S56機物 58修原)
 
  講演要旨:
 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故については、多くの事故調査が実施され、原因が報告されている。しかし、過酷な状況の発電所で、作業員らが限られた時間と機材の中でどのように失われた「原子炉を冷やす」機能を回復させたのかについては、ほとんど知られていない。本講演は、機能を回復させた行為群に着目した分析に基づきながら、今後も起こりうる想定を超えた事象においてより高い回復力(レジリエンス)を発揮できるシステムを目指し、安全における「人」の意義について考える。また、廃炉の進捗に関する最新情報を紹介する。
   
 講演3: 「革新的原子力システム研究が開く原子力の未来」
  東京工業大学科学技術創成研究院 先導原子力研究所教授
小原 徹 氏(S60物理 62修原)
 
  講演要旨:
 エネルギー発生装置としての原子炉は、はじめは原子力潜水艦の動力源として開発された。開発された原子炉はその後発電用原子炉として実用化されて現在世界中で使用されている。この過去の原子炉開発の経緯や既存の技術にとらわれず、社会からの要求に応える新しい概念の原子炉を開発しようとする研究がすすめられている。講演では、これまでの原子炉開発の歴史を概観するとともに新しい原子炉開発に挑む革新的原子力研究の現状について解説する。
   
 講演4: 「革新的研究推進プログラムImPACT」
- 核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化 -
  科学技術振興機構 (内閣府ImPACTプログラムマネージャー)
藤田 玲子 氏(S54修電子化 57博)
 
 講演要旨:
 内閣府のImPACTプログラム「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」は2014年に採択されたが、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核分裂生成物(LLFP)を原子炉ではなく加速器で核変換する技術を開発している。LLFPを同位体分離せずに偶奇分離(偶数核種と奇数核種を分離する)と加速器による核変換を組み合わせることにより、分離核変換技術の社会実装を目指している。新しい核反応のデータを取得し、その核反応を具現化する革新的な加速器仕様を決めることができた。本講演では開発の概要と最近の成果を紹介する。
 
参加費: 講演会 無料   交流会 3,000円(学生・生徒は無料)
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 科学技術セミナー申込
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