高木秀夫S53化、S55修原、S58博原
基礎から学ぶ量子化学
発行:三共出版
内容:本書は、2010年に出版された「量子論に基づく無機化学(群論からのアプローチ)(名古屋大学出版会)」とペアで執筆された。
本書は化学の基礎教本としてのみならず、前著と対で読むことにより、化学現象を支配する物理学的理論を独学できるように編集されている。量子論や群論の理解に必要な基礎数学に関する100頁の付録を含み、量子論と元素の性質/化学結合などとの関係について、歴史の流れに沿って学部初年次の学生にも楽しく学べるように執筆されている。
一方、読者のレベルに応じて「読み応え」が深化するように工夫されているため、「初歩的ではあるが、高度な内容まで網羅した」教科書として、学部専門科目や大学院科目の副読本として長く学べる一冊である。
量子論に基づく無機化学(群論からのアプローチ)
発行:名古屋大学出版会
定価:4,600
内容: 無機化学は記憶事項が多いし、時間をかけて学んだ量子力学も無機化学の理解には無縁であると考える人が多い。この本はそのような考えを払拭し、数学を避けつつ、無機化学を論理的に理解することを目的に執筆された。
本書ではまず、必要最低限の群論の知識を初学者にもわかる形で解説し、そのあと化学構造と化学反応に関する理論について、群論を駆使して例を示しながら解説している。電子移動反応に関する詳細な解説とIR/UV/Vis分光学や相対論的効果に関する記述もあり、現代化学を量子論に基づいて理解できるように構成されている。