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■               神奈川県支部令和2年度 第3回卓話会の報告

 3月12日、コロナ禍の緊急事態宣言下の中で、全員が各々の所在から参加する完全オンラインによる卓話会を開催しました。
東工大情報理工学院副院長の三宅美博教授による「コミュニケーション場の可視化と創造性支援」と題した講演を、
蔵前工業会員や如水会員を含め90名を超える方が聴講しました。

 講演の冒頭、昨今の社会状況において、コミュニケーションへの関心の高まりが指摘されました。コミュニケーションには
言語型と非言語型があるが後者の割合が大きい事や、人々がコミュニケーションする中で気づきや出会いの場が形成され、
それが共創を育む基盤となる事が述べられました。

膨大なデータから答えを導く探索的知能であるAIは創造的業務には適さず、限られた情報でもコミュニケーションを通じて
解を見出す共創的知能の活用が進むべき方向であり、その支援技術は重要であると語られました。

また、東大薬学部出身の三宅先生が生物物理から情報科学分野に進む契機となった粘菌の研究に触れ、知性の無い
細胞群が特定の状況下では、あたかも意志を持った様な行動をとるメカニズムが紹介されました。

そして、人が共創的に同調する(間が合う)挙動を可視化する技術と、それを活用したコミュニケーションの未来についても
説明されました。最後に、日本固有の文化や技術には深いコミュニケーションの仕掛けがあり、それが次の時代のあり方の
参考になると示唆されました。

興味深い講演に加え、オンラインながらも活発な質疑応答も行われ、講演内容のみならず開催方法においても有意義
な会となりました。
                                               大石庸之(S51高分子、S53化工修)