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神奈川県支部案内

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■       神奈川県支部令和2年度講演会報告

11月20日(金)、定例の支部講演会を開催しました。
明治大学研究知財戦略機構特任教授で東工大名誉教授の萩原一郎先生を講師にお迎えし、
「イノベーションの創出が多領域で期待される折紙工学」と題して講演をしていただきました。

Zoomによるオンライン講演会で、71名の方の参加がありました。

まず、日本古来の知恵として世界でも高く評価されている折紙について、折りやすい素材の
和紙の発明に由来する生い立ちやその後の発展について解説がありました。

芸術的側面・ゲーム的側面と共にある折紙の工学的側面に注目して、東工大在職中の2002年
共同研究者と共に折紙工学を立上げたことを述べられた後、畳む設計・軽く強い構造・展開可能構造
といった特徴の数学的解析も含んだ解説を織込みつつ、活動の成果を披露していただきました。

積層型とは異なるリバースエンジニアリング技術を応用した折紙式三次元プリンタやロボットによる
折り畳み製造技術の開発、産業応用製品として車用エネルギー吸収部材・圧縮容易なペットボトル・
防災用ヘルメット・おむつ・将来応用を見据えた自己折り型体内用ミクロマシンなど多くの紹介が
ありました。

最後にビジネス化を追求した更なる産業応用展開に挑戦を続けつつ、日本の知恵の総合活用として、
からくり人形や扇子の折り畳み方法との融合も図っていきたいとの今後の抱負もお話しいただきました。

折紙工学について知ると共に、日本古来の知恵の素晴らしさに改めて思いを馳せる機会となる
素晴らしい講演でした。

本年は、新型コロナ禍の影響で、オンライン講演会となったため、恒例の講師を囲んでの懇親会が
開催できなかったことが誠に残念でした。
                                雁部洋久 (S48電物、H16博 電電)