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■                     神奈川県支部2019年度講演会報告

11月6日(水)、くらまえホールに82名の参加者を得て、原子力の専門家で環境・エネルギー問題の啓発にも幅広く活躍されている
本学科学技術創成研究院特任教授の奈良林直氏に、「壁にぶつかった再エネと各国の脱・脱原発」と題して講演して頂きました。

気温上昇による気候異変はすでに「気候危機」と呼ぶべき状況にあること、原因となる二酸化炭素排出量抑制施策としての
再生可能エネルギー活用は、大部分を占める太陽光発電の変動調整に化石エネルギーによる発電が必要になりむしろ排出量を
増加させてしまうことを多くの事例紹介を織り交ぜて説明されました。

現状では、気温上昇を抑えるエネルギー施策には原子力の活用も必要ということが明らかになってきて、世界は脱原発から
原子力活用の「脱・脱原発」の方向に向かっているという状況が紹介されました。

原発事故やその後に急展開した再生可能エネルギーに対する関心がともすると薄れがちな昨今、「気候危機」の視点でもう一度
エネルギー問題を正しく理解し、地球環境を守り、子孫によい環境を残すためどうすべきか真剣に考えてみることが必要という
メッセージを改めて心に刻むことができ、有意義な講演でした。

懇親会の場では、講演で詳細には触れられなかった技術論も含め議論が盛り上がり、参加された講師には「食事も殆どできないほど
多くの熱心な質問」がありました。

参加者に問題提起することができた充実した講演会だったと感じました。
                                                   雁部洋久 (S48電物、H16博 電電)