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■         神奈川県支部平成29年度第二回卓話会 報告

3月14日、春めいた中、本学建築科出身で特定教授の金箱温春氏の講演が川崎商工会議所で開催されました。
題目は「建築のデザインと安全性」で横浜如水会のメンバーを含めて70余名が聴講しました。

京都駅や広島球場などご自身が構造設計を担当されたいくつかの事例紹介があり、建築の中で構造設計の役割について説明されました。
建築で重要となる4つの要素(機能性、造形性、安全性、経済性)を示され、その中で構造設計の中心となる安全性についての説明が行われました。

近年の耐震偽装問題や東日本大震災により一般の人の耐震安全性に対する関心は高まっているが、専門的で分かりにくく、また法律で
安全が担保されているのでよいと思われているが、法律で規定されているのは最低基準であって万全の安全が確保できるとは限らないとのことでした。

さらに、地震を受けた時の建物の状態や現状の耐震設計の考え方が紹介され、大地震では倒壊することはなくとも損傷は許容していること、
また最低基準以上の耐震性を確保する方法として、免震構造や制振構造についても紹介されました。

また、古い耐震基準で建てられ耐震性が不足する建物を補強することの重要性に言及され、既存建物の耐震補強は普及してきてはいるが
見栄えが良くないと不評なことがあり、それに打開する活動としてデザイン性や元の雰囲気を維持する耐震補強の事例をいくつか紹介されました。

講演の後、参加者の関心も高かったようで多くの質問が出され、講演後の交流会も多くの聴講者との懇談で大いに盛り上がりました。

                                                                                                                          北 良夫 (S49数学)