神奈川県

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      蔵前工業会神奈川県支部講演会
         日時:平成24年11月7日 15時~
         場所:百年記念館 フェライト会議室
高齢化社会における日本再生プラン
 講師:一橋大学経済研究所准教授 
     小黒一正准教授
 現在の日本は急激な少子高齢化で社会保障費が急増する中で税収が歳出の半分を下回る異常事態に陥り日本財政は
危機的状態にある。かつ、社会保障費は毎年1兆円を越えるスピードで膨張し続けている。先の通常国会で消費税増を含む
社会保障・税一体改革関連法案が成立したが、この程度の増税は「止血剤」にすぎず日本財政が危機を脱出したわけではない。
  現在の約9兆円の利払い費は金利水準に変化がなくとも今後10年間で約8兆円増の約17兆円に膨らむ見込みである。
今回の増税分を考慮しても財政赤字は拡大してしまう。改革の先送りで引き上げ時期を遅らせるほど最終税率は上昇し若い
世代や将来世代の負担を高めるという研究もあるので年金のなどの改革議論で重要なのは、制度設計などの細部の議論より
給付水準と負担をセットで全体の枠組みを議論する必要がある。年金支給開始年齢の引上げ、年金課税の強化、医療・介護
保険の自己負担引上げなど抜本的な社会保障改革を推進し、歳出削減を進める必要がある。年金の積立方式への移行も
現行制度の調整で可能であり、世代間格差の改善は長い時間(100年償却を考えると年間約7.5兆円の負担)をかけて
実質的に積み立て方式に移行することは可能である。
 
 明快な説明の内容は難解であったが、縦割りの役人では推進不可能で、政治が主導して進めるしかないと実感いたしました。
時間をかけると負担が増えるそうですから待ったなしですね。
                                                                  (文責:福島)