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■    神奈川県支部 土曜講演会報告

 土曜講演会を8月27日(土)に東工大蔵前会館とZoomによるオンラインのハイブリッド形式で開催しました。

 「火山を知り、火山と付き合う」という演題で、東海大学理学部化学科教授の大場武様(S58化、S60修、S63博)にご講演を頂きました。

 大場様は東工大を卒業後、東工大草津白根火山観測所、同火山流体研究センターを経て、2010年より東海大学教授となられ、カメルーン火口湖ガス災害防止の総合対策に携り、火口湖であるニオス湖とマヌン湖の調査研究をされました。

 日本には111の活火山が分布しており、国土は火山活動により形成されたと言われています。火山は肥沃な土壌、観光資源、温泉、地熱資源、鉱物資源をもたらす点において恵ですが、噴火は災害をもたらします。講演では火山学の発展により解明された火山の仕組みや化学的手法による火山活動の評価と火山噴火予知に関して解説して頂きました。

 近年発生した規模の大きな火山災害は2014年の御嶽山における水蒸気噴火であり、噴火の予測が困難な事例でした。このため最新の 火山学では水蒸気噴火の予測は重要な研究目標になっており、化学的観測により予測を行う試みについて紹介頂き、また火山噴火によって噴出する火山ガス災害に対しても危険性と防止対策を解説頂きました。

 身近に数多く存在する火山の恩恵や危険、その上手な付き合い方について改めて認識し考える良い機会になりました。 なお、参加者は会場とZoomオンライン合せて88名でした。

田淵正英(S48金)

大場教授

(a)講演風景
講演風景

(b)記念写真
記念写真