はじめに

東京工業大学バスケットボール部の歴史活動の開始と
85年史発行のご挨拶

同窓会第3代会長 鹿子木基員

85年史巻頭言鹿子木会長^
東京工業大学バスケットボール部の歴史を記録・活用する活動を始めまして、最初の報告を御覧頂くことになりました。調査の結果を踏まえて「85年史」といたしました。
三島学長からは、お祝いのメッセージを戴きました。有り難うございました。
私たちは、2011年3月の東日本大災害から、歴史に学ぶことと人々の絆の大切さを教えられて、この活動を始めました。
バスケットという身体機能を多様且つ精妙に使って競い合う競技に青春の時間を投入した体験を共有する人々が、歴史を共有することから人生の幸福度向上のために役立つ価値が創造されると信じて、この活動を始めました。知的・精神的財産として、活用され発展していくことを祈念しております。
私自身、中学三年から畑龍雄先生のもとでバスケットを始め、「へばったら頑張れ」を学業や仕事、並びに家庭生活の座右の銘としております。東工大では、畑敏雄先生、須藤六郎先生や石坂コーチ、鋭いヒントを下さった池田敏雄先輩の薫陶を受けました。一言でいうと、「楽しむとは、全力で何かをやること」とバスケットから教えられたといえます。私は、現役に「東工大のバスケットの道」を究め、開拓すること !を勧めます。いろいろな面で工夫して、道を開拓して欲しいものです。それが、一生の楽しみを創りだしてくれるからです。
歴史についての活動は、膨大な情報・資料を扱いますので、クラウドなど、情報システムを出来るだけ活用しました。発刊もウェブ出版を中心にしました。ICT素人集団の活動参加者にとっては、挑戦でしたが、よい学習の機会にもなりました。より本質的な効果は、情報システムを使うことにより、この活動を一過性ではなく継続性のある活動にする仕組みが出来たことです。活動は、現在の活動、その記録から始まり、その収集、保管、編集、発信、フォローアップから構成されます。そして、その各プロセスごとに、活動と活用の道があるわけです。
現在の活動の記録は、歴史資料の源という認識も重要です。現役のホームページや合同のメーリングサイトに、刻々発生する記録は蓄積されます。
項目別に、特記事項は次の通りです。
創部の歴史史料:現役時代マネジャーとして活躍した杉田啓(1961年卒)さんが、父上の卒業記念アルバム(1930年)の中に創部時代のバスケット部の写真を見つけました。その資料を基に、科学史ご担当の道家先生が大学に保管してあった資料の中から、畑敏雄先生が書いた籠球部十年史を見つけて下さいました。この史料から、創部時期を1929年1月と特定することが出来ました。東京工業大学が発足した1929年4月に、わずかに先立つわけです。これに基づき今回の発刊は、「東京工業大学バスケットボール部85年史」としました。
2012年現役チームの活躍:秋のリーグ戦、5部50有余校で上位を占めて入替戦で快勝、4部昇格を決めました。
この活動に直接・間接参加された全会員の皆さまに、深い感謝を捧げますとともに、今後、同好の方々の活動が続く限り、歴史活動も継続して発展するように、お願いいたします。