第13回セミナー(2018年11月17日)
「若手先輩が現役に語る私の経験」
 -これから社会に出る後輩にー
企画とりまとめ:酒井 美律希氏 (2017年化学卒)
【セミナーの概要】
・開催日時:11月17日(土)14:30~16:30
・場所:蔵前工業会館(大岡山駅前) 2階 大会議室
・参加者(24名)
『グループA 就活経験者11名』(括弧内は修了年・修了予定年および専門分野)
小路 智也(2015 電気電子)、守屋 洸洋(2017 機械物理)、野村 大悟(2017 建築)、卜澤 陽平(2018 化学)、荻谷 太平(2018 計算工学)、赤坂 博史(2018 化学)、高山 祐樹(2018 材料)、藤本 幹太(2019 土木)、天本 十和(2019 機械科学)、眞田 怜(2019 材料)、酒井 美律希(2019 化学) (2019情報)
『グループB 就活未経験者8名』(括弧内は専攻名)
修士課程1年:河原 淳(機械科学)、内藤 聡美(生命理工)
学部:麦島 育(化学工学)、山田 雄太(情報工学)、原 舜弥(応用科学)、峰行 拓馬(制御)、下新原 惟(生命工学)、香田 澄恵(経営工学)
『グループC その他5名』(括弧内は卒業年、就職分野:食品、官庁、通信、マスコミ、金融)
高木 ヤスオ(1960応化)、横山 功一(1969土木)、佐藤 修三(1971電子)、中島 博和(1972電気)、冨田 博幸(1987応物)
・配布資料
① 就活セミナー資料
② 就活報告プレゼン資料
【セミナーの開催経緯】
今後、就職活動を控える在学生に役立つ情報を提供することを目的として、若手を中心としたセミナーを開催した。3月の採用活動解禁を前に、より広い視野をもって就職活動にあたるための一つの機会とすることを試みた。
様々な業界で活躍する社会人の若手先輩からの情報(進路選択、具体的な就職活動、社会人になって感じたことなど)をプレゼンの形式で順に提供していただき、それに対する質問、さらに意見交換の場を設けることにした。
【プログラム】(司会:藤本さん、天本さん)
(1) 初めに、資料①「就活セミナー資料」とPPTを用いて、酒井から就職活動全体のながれの説明があった。
(2) 続いて、若手先輩11名(グループA)から、資料②「就活報告プレゼン資料」を用いて、“勤め先企業・業界、簡単な説明、志望理由、現在の仕事内容、就活エピソード、就活未経験者に向けて一言など”、自分の経験を中心として参考となる事柄を発表した。
(3)事前に在学生8名(グループB)から収集した質問事項、およびその場の挙手による質問にグループAおよびグループCのメンバーに口頭で回答した。
セミナー冒頭の写真
去年より多い人数での開催であった。
セミナー風景2の写真
質問する修士1年の河原さん
セミナー風景3の写真
回答する野村さん
【就活前の学生からあがった質問例】
・大学での研究内容・研究生活で得たものが入社後にどれほど役立つのか。自分の専攻分野に類似の業界・業種に就職した場合に、どのくらいの関連性がある仕事に就けるか。
・バスケ部の経験を就職活動や仕事に活きたと感じたことを教えてほしい。
・就職活動が本格化する前に用意できることはどんなことか。
・数ある企業の中で、就職先の会社にどのように辿り着いた、絞り込んだのか。就職活動では何を軸にしたのか。
セミナー風景4の写真
社会人の先輩の間でも活発な議論が行われた。
セミナー風景5の写真
総勢24名の参加者(撮影:眞田さん)
【開催後の在学生からの感想の紹介】
・就活前に選択肢を広げる上で多様な業界についてお話を聞けたことが役に立ちました。
・非常に厳しく辛いものという就活のイメージが大きく変わりました。自分の新たな可能性、興味を見つけることかできる大切な人生のポイントなのだと分かり、就活をポジティブに捉えることかできるようになりました。
・自分のやりたいことをちゃんと見つけることが何より大切だと感じました。
・先輩方一人ひとりの体験談を伺えたことで、就活の具体的なイメージができるようになりました。ありがとうございました。
・就活は企業や会社のことを知れば良いと思っていましたが、何よりも自分のことを知ることが大事なのだと思いました。自分の中の曖昧な想いを、明確な言葉や「かたち」にしていくことの大切さが分かりました。まだもう少し就活は先の話ですが、今一度自分の見つめ直し就活に挑もうと思いました。
・今まで全く分かっていなかった就活の流れがわかるようになりました。部活動の中での何気ない考え方も、自覚すれば武器にできるということが分かりました。
【今後の参考】
1).就職活動が多様化する中で、身近な先輩の多様な経験談を聞くことにより、優先事項の認識や活動の具体化を進めることができた。
2).参加メンバーの進路や専攻は幅広く、業界研究の初めの1歩となり得た。一方で、比較的大人数の開催となったため、質疑応答を含む議論については後輩の学生にとって少しやりにくい印象になってしまった。ブース式にする等の開催の仕方を改善する必要がある。
3).企画運営(参加者への呼びかけ、プログラム、配布資料、会場準備)は、修士課程1年の酒井を中心に全て若手で行われた。
4).司会進行は、天本 十和さん・藤本 幹太さん(修士課程2年)が担当し、発表・質疑の構成や時間配分に気配りをして、非常に効果的であった。開催直後に体育館で現役の練習があったが余裕をもって送り出すことができた。
5).セミナーの趣旨を、業界研究とするのか、就職活動のハウツーを知る機会とするのか、あるいは社会人となるにあたって先輩方のご経験を我が物とする好機とするか、どこに焦点をもつかによって効果的な開催方法が変わるように思う。今回は多少曖昧な点があり、活かしきれなかったリソースがあるように思う。
【シニア会員のコメント・感想の紹介】
1).就活前の学生からあがった質問の1に対する佐藤さんのコメント
一般企業に就職した場合、大学で学んだ自分の専門の知識・経験は、殆ど役に立たないと感じます。原因としては、2つの要素があると思います。
1つ目は、自分のごく限られた専門領域で、ビジネスが成り立つか、ということです。専門が同じ研究職であれば、専門が生きる可能性はありますが、狭い領域のビジネスでは、限界があります。売れなければ、ビジネスにならないし、逆に売れすぎると、必ず競争相手があらわれ、賞味期限は限られます。世の中、常に次の時代に売れるもの、役立つものを考え、ある程度品ぞろえを整えないと長生きできません。小生が、社会人になった時、先輩から言われたことは、10年で、技術は必ず変わる。次を見据えて、勉強し続けること。確かに電気通信の技術は、電話交換機1つを見ても、A型、クロスバー交換機、電子交換機、デジタル交換機、ルータとほぼ10年ごとに、次の技術が席捲してきました。小生が入社した時は、携帯電話は存在すらしませんでした。
2つ目は、組織内における、分野、領域の広さの話です。技術分野だけではなく、事務系の分野の基礎的な知識が必須になります。会計、財務といった、企業の成績表や成長度合いを数字で表すことが必要です。管理者になり、部下を持つと、人事の制度と活用、評価、考課(どうやって人を成長させるか?)、法律をある程度知っておく必要があります。
部長と課長の違いは?(課長は自分の専門分野もしくはそれに近い集団の長、部長になると自分の専門以外の課長が部下に加わってくる、その場合、どこまで知っておく必要があるか?等)。事業部長になると、経営を担うことになり、部長を束ねる必要があります。さてどう取り組むか? どうやって自分の専門以外の人を動かすか?大手企業であれば、基礎的なことは、教育で教えてもらえますが、かなりのことは、自分で調べ、学ぶ必要があります。営業の仕事になると、顧客の企業、人となり、接待等も必要だし、外国が絡むと、語学力、相手国の文化、習慣、歴史等一通り頭に入れておく必要があります。
大学で学んだことを振り返った時に、最も役立ったことは、問題点・課題を発見し、調べ推論し、答えを作っていく訓練をしたことではないかと思っています。
2).セミナー全体を踏まえて冨田さんからのコメント
継続していくことが重要と思います。本セミナーは学生向けながら、社会人若手にも有意義なものになると思います。社会人若手の話を聞くと就活の総括も個人差が大きくあります。世の中が多様化して変わっていく中、このセミナーを継続していくことで、徐々に学生(=今後の就活にアドバイスを得る/多様な意見に接することが出来る)・社会人若手(=他者に説明することで自分の経験を客観視出来る)の双方に価値のあるセミナーになっていくと思います。
【取り纏め:酒井 美律希】
第13回セミナー(2017/11/17)
企画とりまとめ:酒井 美律希氏
(2017年化学卒)
若手先輩が現役に語る私の経験
 -これから社会に出る後輩にー
第13回セミナー報告(本ページ)
本セミナー担当
企画とりまとめ・ホームページ作成:酒井 美律希氏
全体企画:横山功一氏