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平成25年度第2回土曜講演会 報告
 
 3月1日(土)、東京都立大学(現 首都大学東京)名誉教授 広瀬立成先生を講師にお迎えし、講演会が行われました。
演題は「素粒子で探る宇宙の開闢~ヒッグス粒子発見から超対称性粒子の観測へ~」という壮大なもので、ぐずついた天候の中、
75名(如水会、一般を含む)もの方が参加されました。
 物質は何からできているかという基本的な話から始まって、素粒子の標準理論について説明され、その中でヒッグス粒子の存在が
仮定されていたことが分かりました。宇宙誕生時に温度が下がることで真空は相転移し、ヒッグス粒子が発生し、ヒッグス粒子と素粒子
との相互作用で質量が発生するということです。ヒッグス粒子の検出については、加速器の説明から始まって、どのような実験がなされて
検出に至ったのかが紹介されました。精密で時間のかかる実験であったことが分かりました。この実験はCERN(欧州原子核研究機構)
の加速器で行われましたが、これには日本人も参画していたとのことです。
 標準理論は完成しましたがまだ多くの未解決の問題が残っています。その一つが暗黒物質、暗黒エネルギーです。宇宙の中で大きな
存在であるにもかかわらず、その正体は不明のままです。これらを明らかにするための今後展望について説明されましたが、今後の発展
に期待したいと思います。最後に、国際リニアコライダー計画についての話がありました。宇宙の中で人間はちっぽけな存在ですが、
その知性は宇宙の開闢にまで及んでおり、真理を明らかにするためにさらに挑戦が続けられていることには感慨をおぼえます。
 質問時間には参加者から多くの質問が出され、広瀬先生には一つ一つ丁寧にご説明いただきました。これを機会に、素粒子や宇宙と
いった自然の根本的なところに、いままで以上に関心をもっていきたいと思います。また、講演終了後、先生と参加者の一部とで懇談の
機会を持ち、先生のお人柄にも触れることができて有意義な時間を過ごすことができました。

                                                           佐野泰久(S45応物、S47修)記