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神奈川県支部平成26年度第二回卓話会 報告
 
 2月18日、東工大大学院理工学研究科地球惑星科学専攻助教の臼井寛裕先生を講師にお招きし、「火星の水が失われた歴史」
と題する講演が川崎商工会議所会議室で開催されました。88名の参加がありました。
 講演は、現在は砂漠の惑星である火星にも、40億年程度前には海が存在した時代があったという大変ロマンを感じるお話で
始まりました。さらに驚くことに、海を形成していた水は一部宇宙空間に放出されて失われたものの、今なお地下に大量に氷などの形
で残っている可能性が高いということです。こうしたことは、地形解析や岩石の内部の成分を分析することで知ることができます。
臼井先生は、火星から地球に飛来した隕石から古い成分を取り出し、インジウムの中に封じ込めることで正確に水素原子の同位体分析
をするという方法で、同位体比率の変化から歴史を知るという成果を上げられました。テーマの壮大さとは裏腹に、非常に細かいデータ
の取得が必要な緻密で根気のいる学問であることがよくわかりました。
 大変興味深い内容に質問も沢山出て、聴講者一同、学生時代に戻った気分でしばし議論に夢中になりました。
このような知見は、今世紀になってから得られたものとのことで、宇宙に関する研究も、近年の情報処理産業の爆発的発展に劣らぬ
勢いで急速に進展していることを実感として知ることができました。これからもさまざまな研究が進み、さらに新たな発見がなされること
を楽しみにしたいと思います。
 
                                                              雁部洋久 (S48電物、H16博 電電)