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ベンジャミンフランクリン賞受賞 伊賀健一名誉教授記念講演会 報告

 蔵前工業会神奈川県支部は如水会(一橋大学同窓会)横浜支部と合同で、ベンジャミンフランクリン賞/バウアー賞受賞者 
伊賀健一名誉教授の記念講演会が開催されました。受賞対象は「面発光レーザーの発案と研究開発、そして光エレクトロニクス
における多くの応用展開」と言うものです。
 11月1日(金)、横浜市開港記念会館講堂で如水会、一般の参加を得て154名が出席し盛況な講演会でした。 田尻如水会
横浜支部長の司会からはじまり、関口支部長の主催者挨拶ではベンジャミンフランクリン賞/バウアー賞につきまして以下の
ように説明されました。
 「ベンジャミンフランクリン賞は、エジソン、電話のグラハムベル、ドイツ電気工学の祖であるシーメンス、のような工学関連の方々
が受賞されております。特にフランクリン賞の中のバウアー賞は最高位の賞です。このバウアー賞は日本人では二人目ですが、
日本での研究は伊賀博士が最初です。」
 このあと、黒岩神奈川県知事、三島東工大学長、山内一橋大学学長、そして伊賀博士の師であられた末松元東工大学長の
挨拶があり「伊賀博士はひとつの研究に11年をかけてきた。これは、大学だからできる。」のようなお話をされました。
 以上の来賓の方々のご挨拶が終わってから、いよいよ伊賀博士の講演が始まりました。
主な内容は以下のものでした。
    ・フランクリン賞の受賞式の様子をDVDで紹介してくださいました。
    ・伊賀博士が発明された面発光レーザーの説明をされました。
 日本の独創性の特徴として、垂直の思考があり、法隆寺や東京スカイツリー、垂直磁気記憶、光ファイバーの垂直軸蒸着法、
などを説明され、面発光レーザーも、この垂直の思考にそっています。このアイデアは1977年の生まれたもので、これによって
ミクロン単位の共振器の厚みと横幅で2次元アレーができ消費電力は100分の1ぐらいになることが予想されました。しかし、
この時点では勝算があったわけではなかったのです。転機の一つは、1982年にCavity(光共振器)の幅を6ミクロンにまで狭め、
1988年にガリウムヒ素のような半導体化合物を主体にした層を形成することにより室温連続発振(発光)ができるようになったこと
です。
 この面発光レーザーは後にアメリカでVertical Cavity Surface  Emitting Laser(VCSEL)と呼ばれるようになり、このVCSELによって
2次元arrayの実現が可能となりレーザーマウス、レーザープリンタ、コンピューターリンク、などが低消費電力で可能になりました。
 伊賀博士はコントラバスの名演奏家でもあります。VCSELレーザとコントラバスの共通点として、ヘルムホルツ波による共鳴、情報
の伝達、システムの基盤、感動というインパクトを挙げておられました。
 講演会が終了した後、付近のランチョン・アベニューで懇親会を開き大いにもりあがりました。
    以上   
                                                    (46年高分子 48年 化工 磯崎 康司 記)