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神奈川県支部 ノーベル化学賞受賞者 根岸英一博士特別記念講演会 報告

 如水会(一橋大学同窓会)横浜支部と蔵前工業会神奈川県支部は合同で、神奈川県ご出身で2010年ノーベル化学賞を受賞された
根岸英一博士をお迎えして、講演会を開催しました。タイトルは「夢を持ち続けよう。ノーベル賞受賞にいたるまでと今後の技術研究」でした。
 5月24日(木)、横浜開港記念会館講堂で蔵前工業会側から124人、総勢約250人が出席された盛況な講演会でした。
関口支部長の司会からはじまり、早瀬如水会横浜支部長のごあいさつ、そして黒岩神奈川県知事のごあいさつを経て、根岸博士の
講演が開始されていきました。
 根岸博士は最初に有機化合物の重要性を衣食住に関連して説明されました。やがて、博士の研究の契機として帝人時代に社長から
「有機化学を系統的に研究しなさい」というアドバイスを受けました。そしてこのヒントは周期律表にあり、有機化合物に関連する元素の
説明をされました。博士が講演のタイトルに合せて強く主張したのが以下の2点でしたた。
   ・化学反応において活性化エネルギーを低めるものが触媒であり、この触媒のメカニズムを制するものとして
    周期律表内にある遷移金属である。博士はこのメカニズムを図示するとともに、複雑な分子構造をもつ医薬品
    の製造においても遷移金属の触媒機能によって 高収率が期待できることを説明されました。
   ・二酸化炭素は現在地球温暖化の悪役になっているけれども光合成の機能の開発によって人類に有益な
    有機化合物を生み出すことが可能になる。このヒントは周期律表内にある。
 最後の質疑応答において、関口支部長はレジメとして配布されていた「発見の10項目」の御説明を博士にお願いしました。
博士は「意志力と不屈の行動力に基づいた系統だった研究が発見につながる」ことを丁寧に説明されました。その他にも、L体とR体に
関する質問など蔵前工業会の人ならではの質問が出され、これに対しても博士は丁寧に説明されました。
 講演会が終了した後、付近のアルテリーベで昼食会を開きました。この席上で博士は「自分は神奈川県人であること」を強調されて
いました。終宴に近づいた頃、ピアノ伴奏されている人のところにいかれオーソレミオを歌われました。なかなかの美声でした。
 以上、根岸英一博士特別記念講演会のご報告をいたしました。   
                                                          (46年高分子 48年 化工 磯崎)